米バージニア工科大学で起きた銃乱射事件の犯人であるチョ・スンヒ容疑者の腕には赤いインクで「Ismail Ax」と書かれていたそうだ。これが何を意味するのか米国内で様々な議論を呼んでいる。
この「Ismail」が旧約聖書のイシュマエル(イシュマイル、イスマイル、イスマエル、イシマエルなど呼び方は色々。)を指すことはまず間違いない。このイシュマエルはアラブ人の祖先とされており、一方同じアブラハムが100歳の時に妻サラ(この時なんと90歳!)に産ませたイサクのさらにその息子ヤコブはユダヤ人の祖先とされている。そのイシュマエルの「Ax」、すなわち「斧」とは?
いや、「斧」の前に少し一言。
旧約聖書・創世記の第17章と第18章を読むと分かりますが、アブラハムもサラも、神が「わたしは彼女を祝福し、また彼女によって、あなたにひとりの男の子を授けよう。」あるいは「来年の春、わたしはかならずあなたの所に帰ってきましょう。その時、あなたの妻サラには男の子が生れているでしょう」と言われたときに心の中で笑ってしまった。この辺は現代と事情は変わらない。サラの女の月のものがすでに止まっていたと旧約聖書にもはっきり書かれている。当時といえど、100歳のアブラハムと90歳のサラに子供が生れるとは誰も考えようがなかったからである。少し脱線しましたが、この辺の下りは非常に興味深く、ぜひ一読してほしいところであります。
さて、サラになかなか子供が生れないというのでアブラハムは女奴隷(聖書では「はしため」と書かれています。下女又は卑女といった意味です。)のハガルとの間に子をもうけました。それがシュマエルです。このイシュマエルと母ハガルはサラにイサクが生れた時にアブラハムによって追い出されることになります。これはサラの進言によるもので神の意思でもありました。そのため「イシュマエル」には、流浪の者、さまよう者、孤独な者といったイメージが付されることになります。
ハーマン・メルヴィル(Herman Melville)の書いた長編小説「白鯨」の冒頭、わずか3語の「Call me Ishmael.(わたしのことはイシュメールとしておこう)」も、英米人には「流浪の人」を意味しているとピンとくるわけです。
で、「斧」とは?
これはあまり確信がないのですが、コーランの記述によれば、アブラハム(コーランではイブラヒム)とその息子イシュマエル(コーランではイスマイル)が、その故郷でアラー以外のものが崇拝されていることに怒り、ひとつを残してすべての偶像を斧でたたき壊したという話があります。
つまり、犯人の腕に記された「イスマイルの斧」には、大まかに言って「間違った思想・信仰・世相に対する鉄槌」といった意味がこめられている可能性があります。やや被害妄想的な感じはしますが、8歳から米国に居住していたことを考えるとある程度納得できます。同胞の韓国人が数百人いたバージニア工科大ですが、おそらく本人は韓国語は喋れず他の韓国人留学生とのコミュニケーションは取れなのかったでしょう。そして現今の日韓関係の気まずさも手伝って日本人ともおそらく上手くいかなかった。そして民族の違いから米国人とも…。
こう考えると少しは同情的に考えたくなりますが、だからといって彼のした行為が正当化されはしない。やはりメンタル面での異常性があったというほかない。
youtubeでのコメントでも多く見られるように、この事件は彼の特異性によるものであって、韓国人が非難されるいわれはないであろう。人種差別という問題に意識の薄い日本人には分からぬかもしれないけど、彼の行為を韓国人一般の属性にまで拡張するのは無理がある。韓国がどうのと言うよりは、むしろ米国の社会情勢に起因する事件だと思う。
韓国を攻撃したくてうずうずしてる輩が大勢いるのは分かっているが、この事件はあくまでひとりの韓国人が引き起こしたものである。海外の掲示板等で韓国人の愚劣さを説いて回るようなマネはして欲しくない。日本人の品位を落とすだけである。
少し話を戻しますが、「イスマイルの斧」の意味は結局はよく分からない。ただ、イスラム勢力によるテロと捉えるのは行き過ぎだと思う。どっちかというと彼個人の問題だと思う。
自分自身の存立基盤を持とうとして持ち得なかった人間に起こった悲劇と捉えるべきか…。
なんにせよ、日本人は無闇に韓国人を攻撃すべきではない。もし、これが日本人による犯行だったら目も当てられない惨状。
韓国人だったのは「たまたま」だと思う。それをよくよく考えて欲しい。
では、長くなりましたのでこの辺で。
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