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電圧線に囲まれたサイ、狂ったようなオウム… 

 高村光太郎の詩を思い出した。教科書にも載っている有名な「ぼろぼろな駝鳥」というやつだ。

何で思い出したかというと、伊豆バイオパークに行ってきたからだ。

まずは、高村光太郎の詩を紹介したい。

☆☆☆

ぼろぼろな駝鳥

何が面白くて駝鳥を飼ふのだ。
動物園の四坪半のぬかるみの中では、
足が大股過ぎるぢゃないか。
頚があんまり長過ぎるぢゃないか。
雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢゃないか。
腹がへるから堅パンも食ふだらうが、
駝鳥の眼は遠くばかりを見てゐるぢゃないか。
身も世もないように燃えてゐるぢゃないか。
瑠璃色の風が今にも吹いてくるのを待ちかまへてゐるぢゃないか。
あの小さな素朴な顔が無辺大の夢で逆まいてゐるぢゃないか。
これはもう駝鳥ぢゃないぢゃないか。
人間よ、
もう止せ、こんな事は。

  高村光太郎「道程」より

☆☆☆


高村光太郎というのは、木彫家高村光雲の長男で、詩人として有名な人である。また彫刻家でもあった。

精神の病を患った最愛の妻智恵子についての詩「智恵子抄」で知られている。


伊豆バイオパークというのは伊豆稲取という駅からバスで10分ほどの高台にあり、動物園やサファリパークや遊園地などがある。

日本で唯一キリンに餌やりができるところで、そのほかふくろう、アルマジロ、ハリネズミなどと触れ合うことができる。

キリンが伸ばしたえらく長い舌ににんじんを切ったものを近づけると、巻き取るようにして口に運んでいく。感激すること請け合いである。


そんな隠れた穴場的な「伊豆バイオパーク」であるが、一番印象に残ったのはサイであった。

やや小規模なサファリエリアをサファリバスに乗って回るのだが、サイを囲む柵がない。いや、あったのだが高さ50cmもない非常に低い針金のようなものが2本あるだけで、簡単に超えられそうなものであった。でもよく見るとなにか電気関係の装置のようなものがくっ付いている。おそらく高電圧がかかっているのであろう。

サイはじっと動かないで一ヵ所に立ち尽くしている。



なんど試みたんだろう。

柵から出ようと。


サイの目を近くで見れたわけではなかったけれど、高村光太郎の「ぼろぼろな駝鳥」のあの目に近いものではなかっただろうか…。




5、6年以上にも伊豆バイオパークには来たことがあるのだが、その時一番印象に残ったのは一頭のロバであった。

これは普通の柵に囲まれていたのであるが、もちろん超えられるような高さではない。

近くでずっとそのロバを見ていたのであるが、これが微動だにしない。

もう逃げるためのあらゆることをやり尽くして諦めきったかのような目をしていた。今回伊豆バイオパークに行ったのは、またそのロバに会いたいというのも理由の一つであった。残念ながらそのロバはすでに死んでおり、ロバ自体がもはや園内にはいなかった。



キリンもどうだろう。多分つねにおなかが減った状態にさせられているんだと思う。

そうでないと、お客さんが差し出すにんじんを常に食べるということにはならない。あんな小さなにんじんの切れ端を営業時間中、つねに食べているという状態だ。なんだか可哀想な気持ちになる。


ハリネズミも子供たちが来るたびに係員に首根っこをつかんでヒョイと反転させられて手のひらに仰向け状態に着地させられる。

これを一日にいったい何度繰り返しているのだろう。

ふれあい広場の中央部に鳥かごに入れられて展示されているやや珍しい種類のオウムは、まさに狂ったような動きと鳴き声を時々繰り返した。
そういう鳥なのかもしれないけど、どうもそういう風には思えなかった。

小さめの鳥カゴの中で次から次へと人間からあれやこれやと話しかけられる。しかも一日中。

人間だったら「もうほっといてくれよ」と叫びたいところである。


他にやや気になったのは羊の耳に取り付けられた直径5cmほどの標識板である。プラスチック状の円形のものでピアスのように取り付けられていた。

他の動物にも取り付けられていたのだろうが、羊たちの標識板はことのほかよく目立っていた。


まあ非常に寒い日だったのでなんとなく哀れに思ってしまったという事情もあるのだけれども、

やっぱり動物園なんかこの世からなくなっても別にいいと思う。

そこまでして連れてこなくてもいいんじゃないでしょうか。






瑠璃色の風が今にも吹いてくるのを待ちかまへているじゃないですか










   



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